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手続き内容によって異なるので注意!相続手続きの期限について解説
相続に関する手続きで期限が付されているものは、以下の通りです。
・相続放棄、限定承認
・準確定申告
・相続税の申告、還付
・遺留分侵害額請求
・生命保険の受け取り
これら上記の手続きの期限はいつまでなのか、またいつからその期限が開始するのかということにつき、ご説明をさせていただきます。
■相続放棄・限定承認
相続放棄とは、相続人としての地位を放棄することで資産も負債も一切承継しないことです。
限定承認は、相続財産の範囲で負債を相続することです。限定承認の場合、資産から負債を差し引いて残りがあれば相続しますが、マイナスとなった場合には相続をしません。
そしてこれらを行うためには、家庭裁判所にて「相続放棄の申述」もしくは「限定承認の申述」を期限内に行う必要があります。
相続放棄・限定承認の期限は3ヶ月です。
相続は死亡によって開始します(民法882条)が、被相続人の死亡から3ヶ月という短い期間であれば、被相続人の死亡を知らないまま相続人が債務を承継してしまうという可能性もあるため、妥当ではありません。
そこで相続放棄と限定承認に関しては「自分のために相続があったと知ってから3ヶ月」(民法915条1項本文)の期間が設定されています。
ただし遺産がないと信じていてそのことに正当な理由があれば、相続開始を知ってから3ヶ月経過後であっても相続放棄や限定承認が認められる可能性があります(民法915条1項但書)。
■準確定申告
準確定申告とは、被相続人の代わりに相続人が行う確定申告です。
準確定申告の場合は、相続人が相続開始を知った日の翌日から4ヶ月が期限となります。
3月1日に相続開始を知った場合には、3月2日から起算点となり、7月2日までに準確定申告をする必要があります。
■相続税の申告・還付
相続税の申告や納付は、「相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内」に行う必要があります。
申告だけではなく、納税もこの期間までにしなければなりません。
もしこの期間を過ぎてしまうと、税金滞納状態となり、延滞税がかかってしまいます。また、そのまま放置していると、税務署から財産を差し押さえられる可能性も出てきます。
どうしても期限内に相続税を納められない場合には、「延納」「物納」という方法もあります。
相続税の還付請求の期限は、相続税の納付期限後5年間となります。つまり「相続開始を知った日の翌日から5年10ヶ月後」が還付請求の期限となります。
還付請求とは払い過ぎた相続税を、税務署への申告により返還を受ける制度です。
不動産の評価を誤った場合や計算を間違えていることに気がついた場合には、速やかに還付請求を行いましょう。
■遺留分侵害額請求
遺留分とは、兄弟姉妹以外の法定相続人に認められる最低限の遺産取得割合です。遺言や生前贈与などによって遺留分を侵害されると、侵害された相続人は侵害者へと「遺留分侵害額請求」ができます。
遺留分侵害額請求は、「相続開始と遺留分侵害の事実を知ってから1年以内」に請求しなければ権利が消滅してしまいます。
例えば、被相続人の死亡と不公平な遺言書が遺されていたことの、両方を知ったときから1年となります。
また、「相続開始から10年」が経過したときにも権利が消滅します。
この場合には、上記でいうところの不公平な遺言書の存在を、相続人が知らないまま10年が経過したというパターンとなります。
■生命保険
被相続人が生命保険に加入していた場合には、指定された受取人が死亡保険金を受け取ることができます。
保険金請求権には3年の消滅時効があります。
被相続人が死亡したのちに、保険に加入していることが分かった場合には、速やかに保険会社に連絡することをおすすめします。
以上が、相続に関する期限のご説明です。
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