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認知症の相続人がいる場合の相続手続きの進め方や注意点など
ある人が亡くなり、相続手続が開始した場合、相続人は亡くなった方(=被相続人)の財産を相続することとなります。
では、相続人が認知症を患っていた場合、同様に相続手続きを進めることができるのでしょうか。
以下では、このような場合の相続手続きの進め方や、進めるうえでの注意点などについてご説明いたします。
認知症の相続人がいる場合の相続手続きはどうやって進める?
まず、被相続人の遺産を複数の相続人により相続する場合には、遺産をどうやって分配するか話し合う、遺産分割協議をする必要があります。
そして、この手続きは、相続人全員が出席して意思表示をする必要があります。
しかしながら、認知症の相続人については法律上、意思能力が認められず、仮に遺産分割協議に出席しても、意思表示の効力は認められません。
そのため、認知症の相続人がいる場合に遺産分割協議をおこなうためには、認知症の相続人の方について成年後見制度を利用することが必要となります。
成年後見制度とは?成年後見制度を利用する際の注意点とは?
成年後見制度とは、裁判所に申し出ることによって、認知症の方の財産を管理する者(後見人)を裁判所が選任する手続きをいいます。
この手続きにより、後見人が被後見人(認知症の方)と連名で意思表示をして、遺産分割手続きを有効なものとすることができます。
もっとも、こうした成年後見制度には様々な注意点があります。
具体的には、①後見人は裁判所が弁護士や司法書士を選任する場合が多く、親族が選任されることは少ないこと、②制度の利用には月2万円~6万円程度の費用が発生すること、③成年後見の申立てから後見人の選任まで2か月程度かかるため、相続手続きの期限との関係で問題が生じうること、などが挙げられます。
また、こうした問題を避けるため遺産分割協議は行わず、法律上定められている遺産分割の仕方、すなわち法定相続分で相続するという選択も考えられますが、この場合不動産については相続人間における共有状態で相続せざるを得ず、その後の売却や賃貸の際に新たな問題が生じうることとなります。
そのため、こうした事態を避ける生前対策として、遺言書を作成しておいたり、家族信託制度を利用したりすることが重要です。
まず、遺言書を作成することによって遺産分割協議を経ずとも、どのように遺産を相続すべきか被相続人が指定しておくことができます。
また、家族信託制度を事前に利用すれば、財産の管理、運用、処分について家族に直接任せることができるため、上記のような問題は生じにくくなります。
こうした各制度の利用をお考えの場合は、弁護士などの専門家に一度ご相談いただくことをおすすめします。
認知症の方の相続に関するお悩みは、オクトパス法律事務所までご相談ください
オクトパス法律事務所では、相続に関するご相談を承っております。
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弁護士紹介
- 弁護士
- 三谷 岳大(みたに たけひろ)
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