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退職勧奨の進め方|拒否された場合のその後の対応は?

退職勧奨とは、使用者が労働者に対して、任意退職に応じるように説得をすることなどをいいます。

退職勧奨は、それが労働者の名誉を不当に傷つける態様で行われた場合などには、労働者から損害賠償請求をされたりするなどの紛争リスクもあるため、適切に行うことが重要です。

そこで、以下では、退職勧奨の進め方やそれが拒否された場合の対応について解説いたします。

退職勧奨が違法となる場合

 

裁判例上、退職勧奨の態様が、退職に関する労働者の自由な意思形成を促す行為として許容される限度を逸脱し、労働者の退職についての自由な意思決定を困難にするものであった場合には、そのような退職勧奨は違法となるとされています。

これは、使用者の退職勧奨があるとしても、その説得等を受けるかどうかや説得等に応じて任意に退職するかどうかは、労働者の自由な意思に委ねられていることが理由です。

退職勧奨の進め方について

 

退職勧奨の進め方としては、①会社内で退職勧奨に関する方針決定や理由整理をし、②対象の労働者に対して実際に退職勧奨を行い、退職勧奨に応じるか否かの回答期限の設定や応じる場合の条件の検討などをします。

そして、最終的に退職勧奨に応じることが決まった場合には、③対象の労働者に退職届を提出してもらうことになります。

 

①に関しては、予め退職勧奨を行うに際して、方針決定や理由整理をしておくことで実際に退職勧奨を行う担当者の独断での行動を防止し、退職勧奨を行う場で労働者にきちんとした理由があることを伝え、理解してもらうことに繋がります。

 

②に関しては、長時間かつ何日間も続けて退職勧奨を行うことや労働時間外に退職勧奨を行うことは避ける必要があります。

裁判例では、長時間かつ何日間も続けて退職勧奨を行ったケースで、その退職勧奨が違法とされたものも存在します。

 

また、退職勧奨を上手く進められないために嫌がらせやいじめが行われたり、出向や転籍、降格などの人事上の措置を伴ったり、妊娠・出産や育児などの不利益取扱いを伴うと、同様に違法とされます。

使用者の立場として退職勧奨を行うに際しては、常に労働者に録音等をされていることを意識して対応することが重要です。

また、退職の条件として退職金を優遇したり、次の就職先の紹介などを行うと、労働者の退職の任意性を基礎付ける事情となり得ます。

退職勧奨を拒否された場合の対応

 

退職勧奨を行っても、当該労働者が退職することを拒否する意思が固いような場合には、それ以上の退職勧奨を行うことを避けた方が良いといえます。

この場合には、当該労働者の解雇を検討することになります。

もっとも、解雇は労働契約法16条の解雇権濫用法理により規制されることになるため、解雇するには、解雇の「客観的で合理的な理由」の存在と解雇が「社会通念上相当と認められる」必要があります。

退職勧奨に関するお悩みはオクトパス法律事務所までご相談ください

 

退職勧奨は解雇ほどの厳格な規制に服しない点で使用者にとっては有利な方法と言えますが、程度が過ぎれば解雇と同視されて無効となったり、損害賠償義務を負うリスクもあります。

そのため、退職勧奨に関して進め方などに不安がある方は、一度弁護士に相談することも重要といえます。

退職勧奨の進め方についてお悩みの方は、お気軽にオクトパス法律事務所までご相談ください。

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三谷 岳大(みたに たけひろ)
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